濃尾平野の地史(13)

氷期や間氷期のように気候変化のあったことが洪積世の特質である。
最終氷期のヴュルム氷期中には,比較的温度の高かった亜間氷期がいくつか含まれている。この比較的温暖だった亜間氷期には海水も上昇した。熱田層の下部が堆積した後、海は一度大きく退いたが、この亜間氷期の時代に、沈降しつつあった濃尾平野地域には浅海域や三角州が形成された。
この時期に堆積した地層が熱田層上部である。この時期には御嶽火山の新期火山活動があり、当時の堆積物中にはその火山活動によって放出された浮石(軽石)などの火山物質が含まれ、堆積物の時代を知るために役立っている。熱田層の最上部付近には、この御嶽火山の第三浮石が含まれており、その年代は約3.5万年前と考えられている。
熱田層の堆積が終了したとき、堆積物の表面となった堆積面、すなわちその当時の沖積平野の面は現在の熱田台地上の平たんな地形面として残っており、熱田面と呼ばれている。

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