濃尾平野の地史(16)

第4粘土層は名古屋市の中部以西および南部に発達し、分布深度は台地の北東部で海抜Om付近に南および西部でほ-30m付近に分布する。
中部以東ではレンズ状に断続する。南西部では下位の第5粘土層と連続し、この粘土層中にも海にすむ貝の化石が発見されるが、中・北部では海成層という証拠に乏しい。
この粘土層は一般に過圧密で硬く、おそらくこの第4粘土層の堆積後に海面低下期があり、つぎの上部層が堆積するまでの間に小さな不整合があったらしい。
熱田層上部は第4粘土層直上の砂層から上位の熱田層をいう。この第4粘土層より上位の砂層は後述のように浮石や火山岩片を含み、下部層の花こう質の砂とおもむきを異にしている。
第3粘土層は、厚さの膨紡がはなはだしく、レンズ状に途切れたり2層にわかれたりするが、ほぼ全域に追跡される粘土層である。その厚さほ最高10m近くに達することもあるが、
一般には数メートル前後である。この粘土層の分布深度は西部では海面下20m前後、市内中央部でOm付近、中央部以東および以北では薄くなって消滅しているが、その層準は、海抜数メートルから10m前後の位置にあると考えられる。粘土層中にほ海棲の貝化石はほとんど認められず、腐植物に富み海水に淡水のまじったような沼沢地の堆積物と考えられる。
この粘土層は台地中央部以西では連続性を増す。
第2粘土層は局部的に発達するにすぎず、厚さも2~4mを越えない。

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