愛知県古民家の特徴について(9)

愛知県下に分布する古民家の形式について(9)
船枻造は軒部の架構部分に特徴があって上屋の叉首受梁が側の柱(上屋柱)よりも外に突き出て、これに叉首を突き差し茅草屋根を構成し梁の突き出た部分に天井を張っている。
この形が船の船尾の造りに似ていることから船枻造の名が付けられた。
江戸末期(19世紀初期から中期)になると山間部での養蚕が盛んとなり住居内での生産が天井裏(小屋組内)に移って小屋組を改め天井裏空間の活用を目的とされた。
このとき、茅葺屋根の暗い天井裏から切妻造の屋根に改めて採光を取り易くするため軒高を高くしている。
軒の出も9尺強(3m)におよび雪や雨の軒下の活用を考え小屋の中は柱や束を少なくして登梁を採用し作業空間を形成している。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)