愛知県古民家の特徴について(16)

構造形式は、断面図に示す上屋と下屋の架構造からなっている。
復原平面図の屋内に示す太い柱が上屋柱(入側柱ともいう)で、外側に示す柱を下屋柱(側柱)という。
柱に架かる横の材を総称して横架材という。横架材の中でも、上屋柱間に架け渡す梁を特に上屋梁という。上屋梁には胴梁(大梁)と叉首受梁があり、この梁の上下を連結する束が中央に立つ。
垂木を支える材を桁といい、桁には上屋桁と下屋桁がある。また、下屋柱の横振れを防ぐために、柱の胴を貫通する貫材があり、建具を入れるための敷居と鴨居がある。そして上屋組の上に大屋根を支える叉首組が乗り、上屋と下屋を連結する繋材(梁)がある。
鳥居建形式の部材には、先述した多くの名称があり、上屋の柱および胴梁・叉首受梁・上屋桁・束等の部材の組合せを軸組と称している。この軸組が先の断面図に示すように、梁間方向も桁行方向ともに同形の組合せになり、これが神社の鳥居の形になっている。このことから鳥居建の名称が生じている。

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