愛知県古民家の特徴について(18)

釜屋建の事例は、圧倒的に農家遺構に代表され、居宅(主屋・居室の床を張った棟)と釜屋(にわ・厩・内倉)の棟(構造とも)を別に構え、平面(間取)では一体を構成する形を造っている。

先述した釜屋・釜屋建・周施釜屋・撞木・撞木造・別棟・分棟・二棟造などと呼ばれている。これらは飽くまでも外観や構造的な要素からの呼称である。居宅は住居専用に構成され、釜屋は出入口・炊事場・内倉・納屋・厩などの多目的な用途に使用されてきたものである。しかし、居宅と釜屋は両棟の軒を接続して建造し、軒の接続部に谷樋を掛け、屋内構成は-体をなしている。

したがって、居宅と釜屋では別の棟であっても、生活や屋内作業場は同一条件の中にあり、二つの棟で一軒の家としての条件が整い、屋内は通常の直屋と何ら変ったところはないと言ってよい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)