愛知県古民家の特徴について(20)

豊川・天龍川流域に現存する遺構では、18世紀から19世紀末期に建造されたものである。

直屋建(大型)は数例で、直屋に片流れ屋根付と釜屋建が少なくない。直屋の小型の構えは、発見することができなかった。釜屋建が多く残った理由を想像するに、江戸末期から明治初期にかけて、生産や生活形態の変化に適応できる規模であったと考えられる。小型の直屋が現存しないのは、生産や生活形態に適応するだけの規模でなく、建替えられたか釜屋が増築されたと判断されるのである。
現存の遺構から建造年代順に分類すると、次のような順序に考察することができる。だが建造年代を明確に示す史料は現在のところ全くない。したがって、建造年代は材質・材の太さ・仕上げ・架構造・間取り・仕口などの各調査を総合的に判断をしたものである。復原は使用材の新旧・仕上げ・仕口・改変された痕跡などに、その地方における類似形態を含めて解決を試みしたものである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)