愛知県古民家の特徴について(21)

明治になって建造されたとみられる釜屋建は、18世紀末以来の間取りや構造であるが、側回りや屋内における柱間に変化がみられ、1間毎の柱間や3尺間の柱が除去されて、壁が引違戸に改められ、開放の柱間に建具を入れた各部屋の動線が自由になった様子を知ることができる。また居宅と釜屋境の前面に庇を付けて風呂が設けられるのも明治の特徴とみている。この時期に、大屋根が葺おろしであったものを、瓦庇に改め始める時期でもある。しかし、従来の土庇は継続されて、大正から昭和戦前まで続いたようで、前面に縁を設けるのは戦後になってからが多くを占めている。

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