愛知県古民家の特徴について(29)

輪中に現存する一般的な水屋構えは、およそ東南向に屋敷を構え、東側に主屋・西側に水屋が配置されたものが多い。屋敷を嵩上げし、さらに水屋の部分に石垣を積み上げ、桁行3間・梁間2間の土蔵または土蔵式の建造が一般である。現在、愛知県には数例が現存し、先の一般の水屋構えと同様な屋敷構えを持つが、水屋の建造された造成地が異なっている。

水屋部分の石垣を積み上げるまでは通常の水屋構えと同様である。石垣の規模も大きく高さも幾分高いが、建物(水屋)の下に船入場を設けて、洪水や雨水の溜で浸水を受けたときに、小舟の出入りができる場所が設けてある。この場合に水屋そのものは、先の土蔵と異なり、生活のできる離れ屋が建造されるのと、貯蔵と生活の両面に活用できる建造になっている。これら水屋の床板を自由に取り除くことのできるものであった。

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