濃尾平野の地史(5)

濃尾平野、伊勢湾は約100kmを1辺とする地塊として、西側が沈降し、東側が相対的に上昇する傾動運動を行なった。
この沈降部の西縁は鈴鹿山脈のふもとを南北に走る一志断層であるが、この断層は1本の単純な断層ではない。
多数の断層が雁行状に配列し,その間は単なる急傾斜帯となっていることもある。養老山脈はこの地塊の端にある小地塊と言え、さらにこの地塊も小塊に分けて考えることができる。巨視的には、西部が沈下する大きい傾動地塊の西側にできた堆積地区が濃尾平野である。
鮮新世後半の濃尾平野・伊勢湾地域に形成された堆積盆地にほ海成層はみられないので、この堆積盆地を東海湖と呼んでいる。
東海湖ほ鮮新世半ばから洪積世前期まで沈降を継続し、西部ではその時期の沈降量は1000mをこえた。三重県ではこの堆積物を奄芸層群と呼び、名古屋付近では瀬戸層群と呼んでいる。
瀬戸層群は瀬戸陶土層と矢田川累層とに分けられている

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